パナソニック 遠隔電池教室(国内離島初!)
≪かさおか島づくり海社・梶田氏・(株)パナソニック・岡山県による取り組み≫
先日2月26日、白石小学校とパナソニック社の大阪工場をインターネットで結んで、電池についての授業が行われ、島づくり海社で実施に当たってのコーディネートをさせて頂きました。
この授業はパナソニック社が『遠隔電池教室』として実施されているもので、電池の種類や歴史、環境に対する活動など複数の教科の学習を意識したカリキュラムを提供することで、学校での「総合的な学習」へ貢献することを目標に行われています。
今回の授業は、島づくり海社で取り組んでいる『ICT岡山熱血リーダー発掘事業』の一環で行われました。これは岡山県が主体となり、国の地方創生先行型交付金を活用し、ICTを活用した地域の活性化を図るため、ICT岡山熱血リーダーとして事業実施の主体を募集したもので、昨年8月に募集があり、島づくり海社が『ICTで離島に橋をかける!』というプランで応募、採択を頂いたものです。同じくICT岡山熱血リーダーとして活動されている、梶田康生さんの事業プラン『遠隔国際交流事業』の仕組みとパナソニック社との繋がりを活用させていただき、実現しました。
≪テレビ会議システムの実力≫
事前の準備として、学校の先生と、インターネット環境の事前チェックなど2度の打ち合わせを実施。梶田氏にご尽力いただき事前に安定した回線をある程度確保できていたため、当日はスムーズに迎えることが出来ました。その他の準備としては、実験に使うじゃがいも、水(コップ1杯程度)がありました。
授業内容は大きく分けて
▼電池の学習…①電池の種類、歴史、特長を学ぶ②電池クイズ③じゃがいも電池実験
▼手作り乾電池教室…部品を使って乾電池を手作りし、構造などをまなぶ
で構成され、大画面モニターを設置した教室に全校児童10名がモニターに向かう形で着席。モニター越しにパナソニック社の方とマイクを通じてやり取りをしながら進めていく、テレビ会議の仕組みを利用して行われました。授業の実施は、休憩をはさみながら10:40~12:20の日程で行われ白石小学校の2コマを充てる形で対応いただきました。これまで10万人以上に電池授業を行われてきたということで、児童を飽きさせない工夫が随所に施された内容で、周りで見ている大人も一緒にクイズなどを楽しみました。(11月11日は乾電池の日ですって!)
また、今回のテレビ会議システムを導入して何かを行うということは初めての経験ということもあり、実際の使い勝手など興味深く様子を見ていたのですが、たまにおこるやり取りの遅延は2秒程度と、ほとんど気にならないレベルでした。むしろ不安定になるのが当たり前のテレビ会議システムを、わざとやり取りを遅らせることによって、なるべく切れない状態を保つというというところが肝でもあるそうです。少なくともスカイプよりはとても安定していました。ここで詳細を書くことは控えさせていただきますが、このシステムはまだあまり日本には導入されておらず、器材等も簡単なカメラやパソコン、一般的な回線と、個人で維持できる範囲のサーバーのレンタルで利用できるため、既存のものより格段にコストを抑えて導入できるようです。今後本来のテレビ会議の用途でも広がりが予想されます。
≪ICTで離島に橋はかかるのか?≫
当日の様子については白石小学校のブログでもご紹介いただいてますが、児童や周りの先生方を含め、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。こうした普段なかなか島の児童や学生が出来ない体験へのサポートを、今後も島づくり活動の一環として取り組んでいければと考えています。
このように『ICT岡山熱血リーダー』として、昨年9月より島づくり海社は現時点での取り組みにICTを導入し、アクセス解析を通じたより効果的な情報発信や、特産品の販売を通じた離島振興に取り組んできました。この事業は3月末までということもあり、来月3月8日には、岡山県立図書館にて当事業の成果報告会が行われます。また取り組みの詳細は報告会の時にお話をさせて頂きますが、あらためて感じているのは「ICTはあくまで道具にすぎない」ということです。
その道具を何のためにどう使うのか・内容が道具に負けてないか・そもそもその使い方で良いのか、もっと良い使い方があるのではないか、などなど考えることが結構増えました。そしてそれは事業の組み立て方など取り組み全般に対しても必要な考え方で、離島という中山間地で活動を続けていくためにはますます必須になるのではと考えてます。今回の小学校の様子を見ても思いましたが、条件不利地かもしれませんが、こと教育環境などは、先生と児童の距離の近さなど、状況は有利であると考えます。
人と人のつながりはどこよりも魅力的で、それこそが最大の武器かもしれない、そんな島の可能性をますます広げ、不利を有利にする橋のような存在となれるよう、島づくり活動に取り組んでいきます。
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たなぼう (日曜日, 27 3月 2016 10:31)
その節は,子どもたちが大変貴重な体験をさせていただき,ありがとうございました。このページをたった今みつけました。
島づくり海社 (月曜日, 28 3月 2016 05:24)
たなぼう 様
こちらこそその節は、当方の初めての試みに快くご協力いただき、誠にありがとうございました。今後も可能な範囲で島での暮らしに資することに、島の子どもたち・そして周囲の皆様方とともに、色々と挑戦していければと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。